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自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

ネット漫画紹介「オレにあやまれ!!」

オレにあやまれ!!〜史上最悪暴言DV夫との涙の7年間〜

杉野BEATさんが描いた、ネットで読めるマンガである。題名からも分かるように、7年間もDVに耐え続けた妻としての視点のノンフィクション物語である。

絵としては非常にポップな雰囲気を醸し出しているが、そこから出てくる夫の暴言は「人間としてどうなの?」というような質のものを引き立たせている。
立派なモラルハラスメントをしつづける夫なのであるが、実はかなり優秀なタイプで、大企業に勤めており周りの人望がとても厚いタイプなのだ。
だから、事情を知らないほかの人は「そんなことするはずない!」と思ってしまうのも無理はない。

ただ、加害者がひとしきり暴れると優しくなる時があり、その時は妻が「まぁいいか」と思い込んでしまうことだ。いままでひどい扱いを受けていたのに、急に優しくされることでギャップを感じて優しさに相乗効果を感じてしまうからだ。 

DVとはこのサイクルなのだ。
このことを続けていると「共依存」というとても怖い状態になってしまう。

ここのサイトが分かりやすいのでリンクを張っておこう。餅は餅屋だ。
DVと共依存

【暴力のサイクル】 [1]→[2]→[3]→[1]→と繰り返す

[1] 緊張状態が蓄積される時期・・・言葉の暴力や、脅迫が行われる。
  ストレスが溜まって息抜きしたいんだよ!そうやってがみがみ言うとパチンコしたくなるだろ!
[2] 暴力の爆発期・・・身体的・性的など暴力がふるわれる。
  パチンコに行く、借金をする。止めようとすると殴る、大声で怒鳴る。
[3] ハネム-ン期
「俺が悪かった。もう2度としないから」など甘い言葉をかける。

妻も今度こそ立ち直ってくれるのね。もう一度信じてあなたに尽くすわとなる。



自分が話した「やさしくされる時」というのはどうやらハネムーン期というらしい。これで妻は「愛されているんだ」という実感を得てしまうのだろう。なぜなら、共依存状態になっている妻は自尊心が低下しているためだ。

経済的理由もあり、なかなかDVから逃げにくい環境も多い日本の専業主婦。

専業主婦が社会の構造上、多くならざるを得ない。だけど、暴力夫から逃げると今度はパートでじり貧生活なんてひどい目になる。

だけど、日本はそういうところに生活保護を出すようなことはまずない。「離婚したのは自己責任でしょ?」なんてとち狂ったことを言い出す。
たとえ正社員で自立できたとしても子供を預ける場所がない、人件費削減のための過剰労働で実質、企業からの暴力みたいな状態を受ける可能性だってある。

ただ、大半はパートどころか職すら得られないというのが現実ではないだろうか。
好きでシングルマザーになったわけではない。夫の暴力下にいるくらいなら貧乏なシングルマザーになったほうが子供が幸せになれる場合もあるのだ。当然だが、DVを受けている妻を見て育つ子供にいい影響があるはずがない。

たとえば、小学校の作文で「僕のママはいつもパパに殴られて泣いています。」なんて文章を出し始めたらどうすればいいのだろうか。

とてもではないが正気の沙汰とはいえない。

あと、DVを見て育った子供は脳の一部分が委縮するという研究結果も出ているそうだ。もしかしたら家庭の在り方なども本来とは歪んだ形でしか認知できなくなってしまう。そうすると、また次の世代でDVを繰り返すメカニズムにつながっていってしまう。

もし、「やばい」と思ったら相談所を頼ったほうがよいだろう。なぜなら、周りの人は思っている程、本当の夫の姿を知らない場合が多いからだ。

また、そんなにDVの知識も専門機関に比べ疎くなる。これは仕方がない。
あとは経済的セーフティネットをもっと完備しないと相談所だけではどうにもならないところもあるので、こればかりは社会が変わらないと不可能だ。
「社会のせいにするな!」という人はバブル期の発想を捨てる、もしくは今の現状が恵まれているということを自覚する必要がある。人権とはどこにいったの?