マイノリティ雑貨店

自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

「他の国よりマシ」という意識

自殺が増えた、弱者を助ける必要はないと思う人の割合が38%(世界最高)、非正規雇用の率が年々上昇中している。
ただ、そんな中でもインフラは整っており、治安もいいという側面はある。

この点においては海外の人たちも絶賛しており、「日本のトイレは素晴らしい」というのは有名な話だ。
それを逆手にとってか、「ほかの国はもっとひどい」というような輩も少なくない。これって、問題意識ゼロというほかないと思うんですよ。技術やサービスなどいいところがいっぱいあるのは認める。だけど、問題を見過ごそうという姿勢にあまり感心できるものではない。

相対的に見れば、日本は先進国の中に入っており、設備の充実したネットカフェなどで生きながらえている人々も少なくない。

そういった意味ではとても恵まれていると思う。ただ、それが本当に日本の中で生きていく上で素晴らしい選択肢だろうか?という問題を考えることを彼らは放置しているわけだ。

恵まれているのは国のインフラだけであり、働けない(住所がとれないというレベル)の人たちは到底インフラの恩恵を受けることはできないのではないか?

神奈川県の市役所で生活保護窓口がふさがれるということが起こったが、本当に餓死する寸前の状況にいる人を忘れてはいけない。

もちろん、自分自身も雑貨店で主張できるチャンスがあるということを忘れてはいけないのだが、誰かが取材しない限りまずホームレスの人の主張などはまず届かないといってもいい。
今回、たまたま死者が出なかった。(正確には報道されなかった?)

ただ、外で餓死した人のニュースはまず出てこないので本来はもっと深刻な問題かもしれない。

ところで身元不明遺体という言葉はあまり聞きなれないのではないだろうか。TVでもまず報道はされないし、新聞などでもあまり見かけることはない。え?じゃあどうやって探すのさ?ということなのだが、警察署のHPにはだいたい身元不明遺体のコーナーがある。

県によって、情報提供のしかた(写真や特徴)は違うが、男女比を見るとどこの県も男性の身元不明遺体が圧倒的に多い。

おおまかに見ても4:1くらいの比じゃないだろうか。
おそらく、貧困女性の場合はDVを受けながらも暮らせているパターンがある。本当はこういったひとたちにも生活保護などの措置が必要なのだが、だいたいは「暴力亭主のもとへ戻る」選択肢しかなくなるのが日本だ。

あまり報道はされないのだが、もしかしたら身元不明遺体というのは「餓死」の割合が高いのではないかと思う。

なぜなら、福祉の網から外れたホームレスの人は高い確率で家族とバラバラになっているからだ。そうすると、誰も頼るあてがなくなる。だけど、住所がないので働けない。ビックイシュージャパンならホームレスでも働ける体制ができているが、全国化していないため到底雇用の確保が間に合っていない状況だ。

住所を得ようにも家賃がきつい。ネットカフェ難民になろうにも、そのお金すらない。ちょっとした「社会適応性」のせいでここまでになりえてもおかしくない環境って実はとても怖いところじゃないかなと思う。

下手すれば、高校生などの暴行にあうリスクも高い。これでも本当に「ほかの国より恵まれている!そうなったのは自己責任だ!」なんていうのか。
多分、この国は治安の良さの感覚が人によってえらい違うんだと思う。ほかの国ならば、まだ生活保護レベルの人を助けてくれる措置があるそうなので、先進国としては遅れている福祉であるのは間違いない。