「無業社会」を読んで一番印象に残ったこと
今回の記事は短めです。
工藤啓さんの「無業社会」は就職できない若者のエピソードが結構書かれている。
その中には就職の時点でうまくいかなかったパターンから数年働いているパターンで過労で辞めざるを得なくなったなども含まれる。
もっとも印象に残ったのが、数年働いてから友人と会社を作ったという女性の話だ。
営業などをやっていた上で成績はとてもよかった。でも、飽きて転職を続けていた。
別にこれは働き方のスタイルなので、十分ありうることだ。
友人と一緒に起業した彼女だが、経営方針でもめて2年後くらいに辞めることになった。職がないため、仕事を探すが会社を興した経験のせいで就職できなくなった。
なるほど、日本の面接官って「起業経験」に異常に嫌悪感を示すんだなぁということを今回のエピソードで知った。
なんで起業経験を嫌がるのか?それは面接官の言葉に集約されていた。
(記憶で書いているため、引用とは違います)
「会社を作られたのですか。普通の働き方は難しいかもしれませんね」
普通の働き方の基準があいまいなのでなんともいえないのだが、会社員以外のキャリアを認めたくないのだろう。それ以外のやつは使いたくない。そもそも、うちの会社にはそんな前例はないし、リスクが起こったら困る。
おそらくこのような感じで断られたのだろうが、彼女は「普通の働き方ができない」と思われたことに大変落胆していた。
当然だろう。今まで、会社員として営業だってやったことがあったのにそんなことを言われる覚えはないからだ。
第一印象は、だいたいの人格を決めるうえで役に立つということはわからないわけではない。だが、日本人ってそれに頼りすぎなんじゃないかな?ということだ。
ハロー効果について少しだけ考えてみた - マイノリティ雑貨店
これにも書いたのだが、わかりやすいイメージに依存したせいで残念な採用につながることだってあるのだ。
起業経験→社長→勝手な行動するんじゃ・・・、給料をたくさん欲しがる?
これは適当な発想でやったものだが、下手するとこのレベルで判断されることもあるため、それ以外の職歴なども意外と偏見マックスで行われる場合もあるだろう。
ましてや、今の若い人だと「面接官みたいな年齢の人の若い頃の常識」に当てはまりにくい場合があるため、そういった意味で不利になる可能性があるんじゃないかと個人的には思っている。
面接官の好むイメージを醸し出せる要素は、個人の特性に依存するけどそれは努力の相関性はあんまりないんだよね。それが割に合わない。