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自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

企業の求めるコミュ力=強くてニューゲーム

Twitterを見ていたら、面白い記事があった。

NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 「コミュニケーション能力がある」とは「オレが何にもしなくていい状態」!? : 「最近の学生はけしからん!」に対して一教員が思うこと

 

若者はダメだ論は、割といろんな人が追求している。そして、これには具体的な例と、ダメだと思っている理由が書いてある。意外なのだが、ダメだ論で理由を言っている人は少ない。 

最近の学生は、ちょめちょめがダメだ
 大学はちゃんとしてない!

 最近の学生は、ほにゃららが、全然なってない
 大学はけしからん!
  

 こうした意見を、企業の方から、年に2度くらい(?)頂戴することがあります。立場上、大学の外で講演することや、マネジャーの方とお話することも多いので、おそらく、そういう機会が多くなってしまうのでしょう。

 

後半はともかく、これは割とどこの人も言っているような意見だ。大学の教授であまりこういったことを考えている人を自分はあまり見たことがない。なぜだ?

 

では、大学の教員は学生を評価しているのに、企業のおじさんたちは学生をダメ扱いしているのだろうか。ギャップがあるので、さらに読み進めて生きたい。

 

でも、先ほどの「ちょめちょめダメ」やら「ほにゃららNG」に敢えて言わせてもらうならば、一教員としては、

「そんなに、最近の学生は、ダメですか?そんなことないと思うんですけどね」

 と思います。というか「昔よりもかなりいい線行ってる」よと思いますし、ちょっと前よりもかなり「よい方向」に変化しているような気がします。

 特に、問題に思うのは、

「最近の学生はダメ」だというが、オジサマたちが若い頃の「過去の学生はOK」だったのか?

「最近の学生は、ちょめちょめはダメ」だというが、その「ちょめちょめ」への要望は、本当に妥当なものといえるのか?

 

大学教授の主観もあるとは思うのだが、やはりダメという基準は「企業での仕事」と「学問としての能力/努力の仕方」の内容で食い違っている部分があるように思えるのだ。昔より学生の出席率はあがっているようだし、一生懸命勉強しないと単位がとりにくくなっているため必死についていく傾向にはなっていると思う。

友人の中にも、あんまりまじめにやっていないタイプは結構単位を落としていたりする。

※研究の向き不向きと、成績はあんまり関係ないです。ないとは言いませんが、どちらかといえば、好奇心の強さが重要です

 

 よく「最近の学生は、ちょめちょめはダメ」だとよくいいますが、この「ちょめちょめ」をよくよくひも解いて?みますと、意外によくわからないことが少なくありません。

 たとえば「最近の学生は、コミュニケーション能力がない」というおっしゃる方がいらっしゃったとします。(中略)先だって、ある人事部長さんに指摘されました、笑)思わず、別の問いかけをしてしまったことがあります。

「じゃあ、○○さんは、新入社員の、どんなシーンを目にしたら、コミュニケーション能力が発揮されているな、とお感じになるんですか?」

 と伺います。

 そうすると、これに対する答えは長い答えでしたので、余計な部分を「はしょり」ますが、「敢えて言葉にしなくても、こっちの言いたいことを読んで、動いてこっちが何にもしなくても、成果をあげるような感じ」とおっしゃいます。

本当はもう少し長いのですが(30分!)、敢えて要点のみはしょると、こんな感じです。

上記をそのまま解釈しますと、要するに「コミュニケーション能力がある」とは「場を読むこと+成果をあげること」であり、それらがオジサマからの働きかけがゼロでも、つまりは「何にもしなくても(行為レベルの働きかけ)」、「何の言葉かけもしなくても(言葉レベルの働きかけ)」達成されてしまう状況ということになります。

  要するにね、コミュニケーション能力があるとは「オレが何もしなくていい状態」ということですね。

 何なの?宇宙人か化け物でも雇いたいの? あんたらの20数年(勤続年数適当だけど)の経験を初めからやっていて、その現場の風潮とかを完璧に把握していることを求めている。あくまで仕事がうまく回すための経験というのは、若手に次々と伝承されて意味を成すものなのだ。

だけど若者は俺らが持っている知識を最初から知っているべきで、「俺らと一緒に戦力になれ」だなんて論理ならば、無駄に年だけ食ったあんたは給料が高いからいらないんじゃないかって話になる。

それならば、職場を謎の経験値最強の若者で塗り替えちゃえばおしまい。

だけど、相当マニアックな経験をしていない限りそれは無理だと思う。例外としてIT系なら割とそれができちゃう。年齢と経験の逆転ができる可能性があるから。(三上洋一郎さんのGNEXは15歳で起業)

それ以外の業界だと、年齢と経験の逆転ができない。ということは、仕事能力と経験がある程度比例してくる。

今の人たちはあんたたちが思っているほど仕事を知る機会である自営業の家って少ないんですわ。産業構造上、世の中のお父ちゃんはだいたいみんな雇われだから、子供は仕事の風景なんて見れない。見ようと思えば、不法侵入するしかないですよ。

 もちろん、自営業の家の経験レベルは足しになるけど、子供のうちの経験はベテランには到底勝てない。

亀の甲より年の功だなんて言葉があるけど、あれは経験をしているからこそ付加価値のある言葉なのだ。