マイノリティ雑貨店

社会に関すること、自動車、発達障害などを扱うブログです。社会ブログなのか、車ブログなのかよく分からなくなってきました。

アベノミクスと、町工場の悲劇

アベノミクスで株価などは上がっているものの、景気が実感できない国民が増えている。自分も、景気や「まともな」雇用率が上がっているとは到底思えていない。

 


「冗談じゃねえ。大企業ばかりもうけさせて」「これでは給料を出せねえ」…この2年私たちは、衆院選、町工場に円安しわ寄せ : 為替 : 企業・業界 : 円速 株やFXなど投資系2chまとめ

 

日本には、結構な数の町工場がある。日本の97%が中小企業で構成されていることを考えると、町工場の数がどれだけ膨大であるかは想像がつくだろう。

下請けの会社がなければ、3万点、4万点が当たり前な車などの部品をすべて大企業1社だけでまかなうというはめになる。なんで下請けがあるといえば、たくさんありすぎる部品を全部自社では作っていられないし、任せることによりコストダウンもある程度はする必要があるからだ。

 

ようするに下請けイジメというのは、自分の代わりに部品作りを肩代わりしてくれる人を無碍にすることと変わらないのだ。とにかく安く作ってくれればいいくらいにしかおもっていないんじゃないかと思う。工業製品を作るうえで、コストダウンというのは確かに重要なことではある。設計をするうえで、余計な部品をつけてしまえば重くなるし、構造は複雑にもなってしまうため、メンテナンス性や使い心地に直結する。

コストダウンすべきはそういった「機械的・動作的要素」に関わることにすべきなのだ。それらの競争において、負けてしまうのならある程度は仕方ないという側面があるのは事実だ。

材質で考えるなら、SUSでは高いし密度も高く重いので、ある程度の強度を保てればいいということで割り切るならA2017(アルミ合金)を厚めにして設計するというようなことだ。(設計・材料に詳しい人、今回の説明がずいぶん荒いのは一時期、適当にかじっていたせいです。間違ってたら、指摘ください。)

 

ただ、今の大企業がやっていることは仕様をいっさい変えないで「価格だけ安くしろ」ということなのだ。ギリギリ仕事だけはやるから、しょぼい金額で我慢してね。もし嫌なら他がもっと悪い条件で飲んでくれるよ。ということなのだ。実際、飲んでしまっている会社がいる以上、買い叩きだけはどんどん進んでいるわけですよ。

 

材料購入費とか加工費とかは元請けの知ったことではない。ただ、安ければ満足なのだ。そうじゃなければ帳簿上の数字をあげる妨げになるくらいにしか思っていないのだ。そういう環境で作られている商品を国民が電器屋で見て「うわ・・同じ商品ばっか・・・いいとしても、極端に高すぎて中間がないわ・・・」みたいな顛末になっても彼らにそんなことはどうでもいい。

四半期でしかものを見ないスーツのおじさんたちは、手伝ってくれる下請けの人から搾取したお金をふんだんに使い、余裕でいいものを買えるから一般的な所得の国民が商品に不満を持ちながら使っていることを知る由もないだろうなと思ってしまう。

 

 町工場がすごいわけシリーズ(1~5までありますが、このリンクは1に飛びます)

 

非正規労働者が能書きをたれてやる」というブログ管理人のhumitakeさんが書いているこのシリーズはすごく分かりやすい。実体験を基にした町工場の仕組みがどんどん頭に入っていく。

 

自分がすごいなと思ったのは3番目の記事だ.

ただ、ネジを締める仕事といったりしたら、何も知らない者たちは、ただ単に誰でも単純作業というイメージを持ってしまう。簡単で、誰でもできて、頭なんて全然必要ないとかいったイメージだ。
 それは現場から遠ければ遠いほどそういうイメージをどうしても抱いてしまうものだ。

だから、そんなことはないといったところで、わかる者にしかわからないことだ。本当に誰でもできる仕事にしてしまっているような会社は確かにある。作業を細分化して、一日中一カ所か二カ所ネジを締めるだけでいいようにしているような現場があれば、それはある意味その言葉は当てはまるかもしれないが、実際にはそんな小馬鹿にするようなしごとではない。

 ネジを締めるだけというだけなのに、いくらでも工夫の余地はあったりするし、いくらでも改善できたりする。ネジの持ち方、ネジを置く位置、締める時の力の入れ方、力の抜き方。
 そのうち、何か問題が起これば、その理由もわかるようになってきたりするし、ネジについて、感覚的にわかるようになってくる。

水色の部分は割とくどいので、面倒なら飛ばしちゃってください。 

まぁ、自分の専門は機械工学とかじゃないのでマニアックな話はできません。

 

これを少し説明すると、ネジやビスを製品に打つときにはドリルでネジの寸法より若干小さい下穴(ネジを切り込むための基礎の穴)を作る。これをせず、いきなりネジをつっこむというのは無理だ。その大きさだって、大きくなりすぎてしまえば部品同士を留めるという機能が損なわれる。

ドリルの刃だって、穴を開けている途中にうっかり力を変な方向にかけるとパキパキ鉛筆みたいに折れてしまう。当然折りまくれば新規購入しなきゃいけないから余計な出費にもなるし、修復不可能な状態であれば不良品になってしまうわけです。

じゃあ、作った下穴に充電ドライバーでネジを押し込むのが簡単かって言えばちょっと疑問符が浮かぶ。まず、押し込めないというパターンが普通にある。力のかけかたが悪ければ、ネジの頭は余裕でつぶれる。ネジ頭なら、まだ復活するための金属粉があるが、力のかけ方が悪くて充電ドライバーのビット(+の形をした交換可能な先端)がなめてしまうと、もう直しようがない。

これは、とある技術系の人から聞いた話なのだが、こういうことの積み重ねというのは意外と馬鹿にできない。(若干のぼかしありなので、ご了承を)

 

もちろん、大企業の人たちがそういった知識がないというわけではない。ただ、権力のある人たちはどこかズレた目線でそういった積み重ねを無視させているといったほうが正しいのかもしれない。

そういえば、この町工場の給料の話を取り扱ったまとめサイトではあんまりいいと思えないコメントを見つけたので、ちょっとそれについても考えてみたい。

 

町工場は国から仕事もらってるのか? 企業からの受注だから文句は企業に言いなさい
(返答):その通りだね。頭が悪いからいつまで経っても 下請け地獄から抜け出られない。 

よっぽどマニアックな技術じゃないと、それは難しい気がする。技術をつけろみたいなことをいうのかもしれないけど、それって今までの積み重ねがないと難しいって話ですよね。その積み重ねを無駄って言っている層がいる以上、最適解からは遠くなる気がするよ。

 

この町工場の人達はなんで株を買っておかなかったんだ?もしくはドルを買っておかなかったんだ?政府主導で円安に向かってる時に、考えなしに円が高いことを期待してそれまで通りの仕事をやってただけ? 自分でリスクの分散を怠っておきながら、自分に都合の悪いことがあると政治が悪いとかそりゃ無責任ってもんだろ

言いたいことは分からないでもないけど、町工場の人たちは仕事を回すのが精一杯なパターンが意外と多い気がする。しかも、零細クラスだと株やドルを買う余裕なんかないでしょ。省力化のために一部の管理業務をほかのところに任せるにしても、そこに払う管理費って馬鹿にならないんじゃないかと思うんだよね。

 

施主や元請けが儲かるのは当たり前だろ。
安く仕事引き受けて簡単に切れるから下請け、孫請があるんだから、そいつらが儲からないのは当たり前。儲けたいなら人を使う側に回らないと。

 

 いや、そういう問題じゃない。仕事を任せる必要があるから下請けに仕事を与えているわけでしょ?それに対して与えられたほうはできる限りに対応するのが構造の基礎。

この論理は「いじめられっ子になるんじゃなくて、いじめっ子になればいいじゃん」といってるようにしか聞こえない。

 

いろいろなことを詰め込んでしまったのだが、それだけ下請けイジメというのには弊害があるということを言いたい。大企業が儲からなければ・・・というのは、部品を作っている下請けがちゃんと仕事をできるような環境にしてあげなければいい仕事はできないんじゃないかということ。対価を払われれば、それだけ技術や人員の対応も柔軟になるわけだから、結果的に儲かるのは下請けが儲からないと大企業も本質的な意味で儲けていることにはならない。

 

ようするに、円高で部品代があがっているのに昔より苦しくなったというのはどこかに泥棒さんがいるってことなんだな。ちゃんとやってれば下請けの利益上がってるはずだもん。そんなせこいことしてるなら、投資してもっといい形で儲けようぜ。

 

もっと小さいスケールを使って、家庭単位で話そうか。亭主が空き巣をやってばれませんでした。ほぼ、毎日やって恒常的な利益を得ています。それを奥さんに「今月の給料、すごかったよ」といって渡してるようなもんだよ。

奥さんは知らないか、家計のために知っていても見て見ぬフリをします。

買い叩かれた中小企業は空き巣されたも同然。もしかして、それがアベノミクスの本質じゃないよね?