マイノリティ雑貨店

自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

めいろまさんのCAKESのピケティ記事に物申す。


ピケティ本を読んでいる人は金持ちになれない?|世界のどこでも生きられる|May_Roma|cakes(ケイクス)

 

もともとは本田由紀先生のツイートがきっかけで読んでみようと思ったのが始まりだ。

「こんなのは民主主義がどうたらこうたら」とか言っていたので、何がいけないのかを調べてみたかった。本当にまずいのか?ということはログインしないとわからない。(cakesは無登録だと途中までしか読めない)

 

彼女の話の内容をかいつまむと、

「そんなに高い立場にいるわけでもないピケティの本を買っているようなあんたらはゴチャゴチャ言っていても金持ちにはならない。」

「しかも、この社会は投票によってあんたらがこの格差を望んだんでしょ?」

「金持ちはこういう構造をよく知っているからそんな本は買わないよ。」ということになる。

 

確かにね、ピケティさんの本は高くてデータの質もいい。それでもって、これを読んだからといって世の中を変えることができないということは別に否定しません。

これで金持ちになっている人が大量に増えたら産業自体が揺れ動くよ!

ただね、この格差を望んでいるというのがちょっとピンと来ないんですよ。

こういった格差が始まりを迎えたのは小泉政権で派遣業が解禁されたあたりじゃないかと思う。ここから、非正規労働を活用するやつらが増えたのは事実だ。また、彼を国民が支持していたっていうのもいまだ記憶に残っている。

国民も熱意に押されて「すごい」と思い込まされていた。当時は自分がまだ中学生だったので、政治とかの話はろくすっぽ分かっていないしそもそも意見を表明するための選挙権もなかったですよ。

彼のやったことがこんな今更になって社会問題になるとはたぶん考えていた人がそこまでいなかったのかもしれない。だからめいろまさんは「これはそんなことも分からなかったあんたらの自己責任でしょ?」みたいなことを言いたいのだろうけど、マニフェストから未来のことがすべて分かれば誰もこんな苦労しないよ。その当時、あからさまに「こいつはひどい」と思えば、投票していないはずだもの。

 

そして、もうひとつ。選挙の権力は老人が圧倒的に強すぎることを考慮すべき。若者の投票率がどうのこうの言う前に、老人の数見ろよ!いまの選挙に行く人の平均年齢は57だ!そして日本全体の平均年齢が45歳。意外と高くて驚いたよ。

要するに、管理職~定年間近の人たちが考えていることが世論に反映しやすい。投票に行く行かない以前にもう、母数の時点でだいぶ不利。しかも、20歳以上じゃないと意見が反映できないときた。そして、年齢の上限はない。

そして出世するのはだいたいおっさんの年齢になってからだ。齋藤ウィリアムさんも言っていたが、構造上日本は若者が活躍できていないということらしい。これは若者~青年世代(40くらいまでと想定)の意見は弱いってこと。

そう考えると一般的な働き盛りと言われる連中のパワーは微妙になるぞ?

それもあるし、生まれた家の運(=大学時代における経済状態)というのも考えなきゃいけないんですよ。高学歴じゃないといい仕事に就けないけど、その教育資金を払うための親の年収がいくら必要ですか?教育のお金で生活が苦しくなっている家が結構ある。塾の月謝とか、家のローン、車の税金とかをコンボしてみると金額が恐ろしいことになる。

 親にそれを払える年収を稼いでいないから悪いといえば簡単さ。今の状況では学費が跳ね上がっているのでバイトしながら大学行っている状態では勉学もくそもない。ましてや今問題になっているブラックバイトなんかひどい。テスト前にシフトを入れさせるという鬼畜の所業をやってくれるからね。じゃあ、辞めればいいって?

 親の仕送り額が年々減っていて学生はバイトしないと生活できませんよ。高学歴になるために入ったのに、下手すりゃ中退だよ!その要件を満たす親がどれだけ満たすか調べてくれよ。「基準を満たさない学生は要らない」と高収入の職場が言っているわけだから、それなりの投資を必要とするわけだ。

ましてや、日本の財産の8割近く(純粋に現金という形で)を50代以上が持っているんですよ。彼らのパワーを考慮しないとか言わないよね?経団連の連中なんかみんな会社員の定年なんかとっくに過ぎたジジイばっか。

そういったやつの声を国民がそのまま採用したいと思ってんのか?って言いたい。

大学を中退してなんとかなる起業の化け物なんて確率的にそうそうはいないし、そういった経歴の人を好む日本の会社は少ない。

海外に行けば?というご意見もあると思うのでこれに関して言うと、こっちも結構マッチョだよね。どれだけ消耗しなきゃいかんの?ってこと。

努力をするといっても、みんなが努力できるわけじゃない。そもそも先進国というところにいながらその環境すらない人だっているわけだ。

どこかの女子中学生がホームレスのおっさんに「こうなったのは勉強しなかったせいじゃないの?」と聞いた。答えはこうだ。「馬鹿いえ!勉強机なんてそもそもうちにはなかったぞ!」

立ってやればいいじゃないといえばそれこそ二宮金次郎の物まねでもするしかない。

そもそも、スタートラインが平等じゃないところから話を進めて努力するための基礎ができていないことを議論しなきゃいけないんですよ。誰もがとんでもなく苦しい局地から這い上がってきた橋下徹になれると思わないでねということ。(経歴を見る限り、貧乏とはいっても一浪できるだけの環境はあったみたいだけど)

 

個人的に、めいろまさんは日本の問題点をきっちり指摘しているので、そこに関しては評価したいと思っている。だけど、格差をあなたたちが望んだものでしょ?というのには流石にちょっと言いたいことがあったので今回の記事にした。