マイノリティ雑貨店

自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

書評【発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術】

今日、この本が発売されたので早速読んでみた。

ツイッターでは有名な、借金玉さんの本だ。

たぶん、彼の紹介はツイッターでも見てもらった方がいいので、さっさと本書の内容についてレビューしていきたいと思う。

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発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術 [ 借金玉 ]
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 【発達障害の中でも、困りごとは違う!】

 まず、この本を読むうえで知っておく必要があるのが困りごとの個人差についてだ。

発達障害の人をいろいろ見ていると、本当に人それぞれ違い過ぎていて自分の中でカルチャーショックになるくらいなことが多々起こっている。

【自分の実例:こんな風に違いがある】

  最近、実際に自分が会った発達障害の人では「感覚鈍麻があって、分からない内に怪我をしている(幼少時は過敏)」「記憶力が非常に高く、目で見たものを写真のように記憶できる」などがあるが、同じ当事者である自分には全く想像がつかない。 

過敏、鈍麻で困った経験が自分にはないからだ。これに関しては運がよかったとしか思えない。そして、自分にはそんな便利な記憶能力は存在しない。

せいぜい、関係ないことを変な感じに溶接してそれっぽく喋るのが関の山だ。

 

【本のコンセプト】

 最初の方の文章を多少引用させてもらおう。下手に変な説明するよりはご本人の言葉を使った方が正確だと思ったので。

赤字の部分は特に納得した部分です。

この本の中心テーマは「生存」、すなわち「生きていればとりあえずOK。生き抜こう」です。社会適応のための努力ができるような状態ではない人もたくさんいますし、無理は禁物です。「社会に適応するためにこの本を読んで努力しろ!」という内容の本ではありません。「あなたが少しでも楽に生きる役に立てば嬉しい」という気持ちで書かれています。

これですね、人生で死にそうなレベルで苦労してきたからこそだと思うんですよ。

言い方変えると、発達障害の人は努力しようとできないものは本当にできない。

もっというと、努力するための一般的なやり方が全然合わないことだってザラだし成果を達成するためのやり方も 通用しにくいことはよくあるお話ですね。

社会適応のハードルって結構高くて、いろんなことが求められる。

だからこそ、曲がりなりにも生きようという形に目標を設定することで最悪の形にまで落ちないようにしようというのがこの本の戦略なのです。

 発達障害がある時点でもう勝手に人生がハードモードに設定されてしまうんです。

正直、ある時点でというのは言い過ぎかもしれない。本人の環境や努力によっては何とかなる場合もあるが、大きなくくりで言えば22歳で働いたり、アルバイトをした時点で躓くというのがだいたいの症例の気づきとなることが多くなると思う。

 

【普通じゃないなら、普通の対策では意味がない】

 

カバンの選び方、メモツール、休み方、人間関係の作り方などいろいろなライフハックが詰まっているが、なかでも「強烈なもの使ってんな・・」と思ったのは名刺を活用して顔を覚える方法だった。

 

(あえて前略)このハックは本当に効きます。おかしなツイッターネームの人、例えば友人ですと「新宿太郎総帥」という方がいらっしゃいますが、もう、1回会ったら顔と名前を一切忘れませんでした。「総帥」ってなんやねん、という気持ちが概念と視覚を結びつけるのです。たぶん「借金玉」と会ったことがある皆さんも、結構僕の顔を覚えてくれているのではないでしょうか。

自ら「借金玉」 と名乗る僕の根性に免じて、この無礼なハックをお許し願いたいと思います。なお、僕の名刺入れは非公開です。絶対に公開しません。

 発達障害の人には「相貌失認」といって顔の認識が弱いという特性を持つ方がいるのだが、おそらく借金玉さんもその範疇に入る方だと思います。

でも、自分の得意な「概念」を使ってカバーすることにより、問題を解決できるということは素直にすごいと思った次第です。

自分の場合、極端に顔を覚えられないということはないけど、なぜか一部の人は間違えるというよくわからない感じの認識になることが多いのでその場合は名刺か、名簿の文字列で覚えていることが多い。どっちかというと名簿のやり方の方が好きなんですけどね。

【あとがき】

 

 発達障害の人がこの手のハックをこなせるようになるとだいぶ人生が楽になるだろうなということはよく感じた。

あとは、「そのハックを知ったところでどれだけその対策を先延ばししないか」「面倒くさくなって三日坊主にならないか」という点をクリアする必要があるなと個人的には思った。

ハックを遂行できるためにはある程度自分を律しなければいけないなと思う側面と、実際に動かなくてはいけないという葛藤もあるのでそのあたりは「やっていきましょう」ということで頑張っていきたいと思います。

とても実用的ですごく読みやすい本でした。

やっていきましょう。