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自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

発達障害の雰囲気訂正コストの高さを甘く見ないほうがいい

題名がすごくわかりにくいのはもう、これしか言葉が見当たらないから使っているだけです。

そんでもって、「あんたが言い出した雰囲気訂正コストって何ぞや?」について話を進めていこう。

前提として訂正コストという言葉を使う以上、社会的(一般的な会社の中)には発達障害者がもつ独特の雰囲気はまずいとされているということだ。ただし、KaienさんとかNeccoさんのような発達障害の特性を活かそうとする組織は除きます。

 

じゃあ、どんな雰囲気なの?ということに関しては自分の言葉より上手なところがあるので引用させていただこう。

 


就活うつと就活自殺はどうして起こるのか? - かくいう私も青二才でね

 

ADHDアスペルガーなどの発達障害を持っていると、頭が良くてもコミュニケーション能力が低く、対面で話すと印象を悪くしたりすることが多い。

 

例えば、こんな感じ。

 自分自身の発達障害ADHDアスペルガー症候群(以下ASと略記)、LD(学習障害)など)を疑う場合、大人の場合でも子供の場合でも、まず以下のポイントに注目する。

1.「過集中」がみられる。何かに夢中になっていると「話を聞いてない」と言われる。またその集中は一晩中でも数日でも続いてしまう。

●子供でも専門家顔負けの知識を集め「博士」と呼ばれたり、マニア振りが高じて「オタク」以上に呆れられる様な人に理解されにくい集中状態がある。

.自分では気を使っているつもりでも「天然」「馬鹿正直」と言われたり、「はっきり言い過ぎる」と言われたりする。自分では思ったことをそのまま言っているだけである。

●言葉を文字通りそのまま真に受けることが多く、「冗談が通じない」とか「遠まわしな言い方が理解できない」と言われたりする。

●ウソはつけない。ついてもすぐにバレることが多い。頭に浮かんだことを口に出さずにいられないことがある。

3.場の雰囲気等の状況理解が多数派(発達障害に対して比較的一般的な大多数の人)とズレたり食い違ったりしてトラブルとなることがある。

●「空気が読めない」と言われたり、明らかに不適切な発言をしたという反応(多数派の人の表情や目つき、顔つきなど)を受ける。

●「ユニーク」「宇宙人」等といわれたりする。

 

自己診断第一章 −− 発達障害を疑う自覚症状

 

頭が悪いわけじゃない(むしろ勉強ができるか、得意分野には博識な人が多い)。

会社組織が雇いたくなるような人当たりの良さ・大人びた態度を演じるのが苦手な人が多いのだ。しかも、何が厄介かというと「これらが直すのにものすごく手間な障害」だと世の中の人は理解せず、精神的に幼いとか何とか言ってバッサリ切り捨ててしまうことだ!脳のレベルで違いが生じてるから治すのはすごく大変なのに、そこに全く理解がないことだ!

 

三沢さんの記事の最後の部分を青色にさせてもらったが、これが特に言いたいことなのだ。脳のレベルを根本的に直すというのは最終的にロボトミー手術とか、無理な投薬治療をしてまでやるということにいきついてしまう。

 

それは、あくまで倫理を超えてしまっているレベルのものであるため到底現実味のある話ではない。じゃあ、脳はそのままで行動だけ治そうなんて話になってしまうわけだが、原理を考えれば無茶な話だよなということになってしまうわけだ。

 

アスペルガー当事者の場合、言葉を受け取るときに自閉度が高いほど言葉をそのまま受け取りやすいという性質がある。

具体的にどういうことかといえば、ただ文字を読んでいるのと変わらない。人が話す言葉には状況というものが必ずある。

まわりの人間関係、どういう事が今行われているのか、相手の言葉の裏にはどういう意図があるのか?、さっきの話と照らし合わせるとどのような対応が必要か?ということを瞬時に行わなければならない。声色からも感情を推測しなければいけない。

冷静に考えてみれば、こんな処理を1秒かかるかどうかでやらなくちゃいけないというのは健常者ベースとして考えてもかなり高度な処理だということがわかる。

ただ、言外情報を受け取れない当事者はそれをゼロベースから考える必要があるし、そもそも情報がないものに対してどうたってあんたの望む正解に近づけるの?という話になる。

これを車の運転で言うなら、エアコンは動いているんだけど何の表示もなくてレバーだけある。スピードメーターは針があるんだけど数字が書いてない。燃料計はそもそも設置されていない、ブレーキ警告灯が切れているようなもんだ。

完全に事故を起こすための仕様ですね、これ。(=コミュニケーションの齟齬の根本的原因に置き換えるといいかも)

たとえなので、完全に合っているわけではないがイメージをつかめてもらえればいいと思う。 

おそらく、接している人から見れば当事者の内部事情がこんな状態になっていると思っていないのだ。だからコミュニケーションの要求レベルがすごく上がってしまっている。というのも完全に知的な問題があるわけではないため、はたから見れば自分たちと同じような雰囲気で話すということを期待できるだけのポテンシャルをなんだかんだ持っているからだろうと思う。

特に最近の風潮だと「そつなくこなす」ことがもとめられる。そつなくこなすことに関して考えるのはほかの記事で言及しているので、今回は割愛する。

どうしても今見たい人向け:「何でもそつなくこなしそう」という雰囲気至上主義

 

なんというか、独特な雰囲気の人をうまく活用するコストを絶対に掛けるな!といわんばかりの状態になっている。きれいなイメージの営業マンばかりを揃えたいのだろうか?と思うときが結構ある。彼らは確かに受け答えが丁寧だが、鍛錬されたが故の妙な不自然さを感じるのだ。そうでもしないとクレームでも来るんじゃないかってくらい、要求が高いんだろうな・・・。

ユニークって言葉を「汚らわしい」とでも思っているんじゃないだろうかってくらいのひどさだよこれは。

 

個性派ぞろいという言葉をちょっと前までは聞いたことがあるのだが、最近めっぽう聞かなくなった気がする。就職活動に向いているのはそういった個性を「社会の許容範囲内」だけで発揮する人なんですよ。それか、もともとは尖っていたんだけど会社適応のために丸くさせられた人たちがこういった仕事の現場に赴いているわけだ。

声優の小野坂さんみたいなこと言うけど、発達障害の人の雰囲気を完全に健常者っぽくすることというのは「今までの自分を全否定しろっ!」っていうのと一緒。

社畜ブログの日野瑛太郎さんみたいに社会適応できていて発達障害の要素はまったくなくて会社員向きじゃないって人と、発達障害者の境界は断絶しているわけじゃないんですよ。

日野さんは決して「会社」適応性(=組織での立ち回り能力)が低い人ではない。だけど、その状態を一生続けられるか?といえば、その答えはノーだ。

立ち回り方を完全にわかっている優秀な人ですら「無理だ」と感じることが現実に起こりうるのに、発達障害者が180度方向をねじって相当な努力をしたとしても不適応を起こすっていうのは至極当然の話だと思うんだよ。

あまりにも運用に無理があるというか、それがどれだけ無茶しているのか、当事者の周りの人たちがあまりにも無頓着すぎるってこと。

自分の子がこういうタイプであるのは知っているけど、世間体的にほかの選択肢を選ばせないって言うのはもっとたちが悪い。支援とかをして選択肢を広げてでも彼らが曲がりなりに生きていけるだけの経済活動をさせないとまずいんだよ。

うつになってでも会社員になってもらいたいって言うのはあんたのエゴだよ。

なんで、大学関係の組織が発達障害の大学生向けの就活pdfを作っていると思う?やはりそれだけ問題の規模が大きいんだよ。本当のことを言えば動きが遅すぎるとは個人的には思っているけど、日本の発達障害対策のスピードから考えればやろうとしているだけいいのかもしれない。

ただ、どう考えても就職活動自体に向いていないというから・・・という方向性の話がまだ来ていない以上、まだうつ傾向な社会は直る方向に行くことはないと思う。

長くなってしまったが、それだけでかい話なのだ。もっと深い話もできるだろうけどきりがないのでここらにしておきます。