マイノリティ雑貨店

自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

几帳面すぎは、非常時に弱い!

週刊めいろま Vol.019 「日本で優秀な人が海外で無能と呼ばれる理由」
あなたの性格、“組織向き”ですか?

几帳面であることは仕事では好まれる。高い品質を追求したり、接客などで細かいおもてなしをすることでリピーターを増やすうえでは大事な要素だ。

工業などでは品質の維持とコストダウンを両立するために、ISOやJISなどの几帳面な基準まで設けている。図面の書き方とかは正直、うるさすぎてかったるいくらいだ。
おそらく、停電の復旧の早さは世界トップクラスであることは間違いない。恒常的なシステムの維持という点ではかなり評価できる国だとは思う。
だけど、几帳面すぎるがゆえに困ることもある。
品質を追求しすぎて仕事が到底終わらない。接客業などでは安い値段でも客が店員に食ってかかるようなことも平気で行われている。

電車の数分遅れごときで駅員に攻撃するなど、通常の神経をしていたら暴行罪の適用を思いつくのではないか?決まり事のために物事の進行がやたら遅れてしまうなどのデメリットも考えていく必要があるわけだ。

古い記事だが、めいろまさんのVol.19の記事は今の日本ではずっと通用できるレベルだ。

まず、日本人の優秀さが発揮されるのは、いわれた事や決まっている事を、命令通りにやる場合ですね。極めて真面目に遂行する。これ管理者だと物凄く助かります。しかも細かいところにも目を配ってやってくれる。安心です。物は盗まないし手抜きもしない。本当に真面目です。その点では極めて優秀です。多分世界一レベル。日本人が参謀とか将軍になったら師にますが、兵隊としては優秀だということがよくわかりますね。



参謀とか将軍というのは本当に臨機応変な対応が必要になる。だいたい、歴史上でもリーダーをやってきたような人物というのは日常の行動が人とは全然違う。考えようによっては頭ぶっ飛んでんじゃない?と思うような人たちもいるわけだ。

「Random Work To」というブログに、吉田松陰は囚人に授業をしていたという旨のことが書いてあった。殺人犯も凶悪犯もいるだろうに、この根性はすごい。
下手すれば、変なこと教えるなと看守に叩き出されるんじゃないかと考えるわけだが、囚人をも巻き込むというのは発想としては面白い。確実に一般人が大好きな常識とは離れているが、その部分は違いを生み出せる貴重な資源ではないだろうか。

一方、命令に従うのが嫌いで、怠惰で適当な人々が多いイタリアはちょっと違う。あそこは杓子定規とは反対。ある時イタリアのLCC(激安航空会社)に乗った時に、チケッティングシステムがぶっ壊れたのですが、なんとカウンターにいた人々は「おらよ!」とチケットをその辺の紙に殴り書きして「良かったね♡」とウインクして我々を乗せてくれたのでした。席は適当に選べ、人数が大体あってればいいべ、というノリです。まあ、飛行機というのはバスみたいなもんだから、こんな感じでいいのかもしれないですね。席は座れりゃいいわけだし。




非常に面白い話だと思う。お金を払っているのに、チケットを買って乗れないのはまずい。
だから、「金払ったんだから、チケットは見た目上わかればいいよね?」という考え方だ。割と個人的には好きだ。

ただ、日本人にこれをやるとすごい嫌がる人が多そう。「キチンとしていないと嫌だ!」という前提があり、便宜上でごまかすというのは許せないのだろう。綺麗なチケットを欲しがる人がそれだけ多いんじゃないだろうか。
その場は帳尻合わせればいいと思うのに、システムを維持することに目が行き過ぎている。

システムが直ったら、後で記入しなおせばいいと考えなければ目の前の大きな問題で混乱してしまうことも十分にあり得るのだ。

まぁ、さすがに証券取引とかそういうのは崩壊したときの規模や被害があまりにでかいからセーフ機構みたいなものを考えないといけないのだろうが・・・

そして、後者の引用記事に、「判断的態度」と「知覚的態度」の話が出ている。
ちょっと比べてみよう。綺麗に真逆なのでうまくバランスが取れれば強い組織になるんじゃないだろうか。

【判断的態度を指向する人に多く見られる行動上の特徴】→几帳面な日本人に多い仕事の仕方。
 ■ スケジュールに沿って行動する
 ■ 整理された状態を好む
 ■ 規律正しい
 ■ どちらかというと几帳面
 ■ まずは計画を立てる
 ■ 結論を出すことや決着をつけることを好む
 ■ 最後に慌ててやることを避ける

【知覚的態度を指向する人に多く見られる行動上の特徴】→イタリア人や少数の日本人の仕事の仕方。
 ■ 状況に応じて行動する
 ■ 制約にとらわれない
 ■ 格式ばらない
 ■ どちらかというと柔軟
 ■ まずは状況を見る
 ■ 結論や結果に変更の余地を残しておくことを好む
 ■ 最後に一気にやる



判断的態度は「几帳面」、 知覚的態度は「臨機応変」というやり方だ。後者の方法を日本でやると「キチンとやれ」 「はやくしろ」みたいなことを言われてしまうことが多い。どっちにもメリット、デメリットはある。
まず、計画ありきでやるので、そこでかなり面倒くさいことになるパターンが多い。「やりながら考える」ことを小学校の頃から悪いこととして教育しているのも、そういう背景があるからだ。

例えばワタクシの知り合いのあるイギリス人営業マンは、時間にはルーズだわ、出勤態度は悪いわ、勝手に自宅勤務にするわと、これ日本だったら問題児として人事部に通報されるレベルで、多分上司とも大げんかになります。

ところが、この人、他人が考えつかない仕組みを考えだして、超大型契約をゲットしてきます。上司のいう事なんか聞かないし、同僚の意見と違うとバンバン反論。でも結果だすから周りは「ま、いんじゃね。結果がいいしさ。あいつ面白いよね。すげー優秀だわ」といっております。

同じ組織にいる日本人は、時間は正確、物はなくさない、上司には従順なんだけど、でかい契約は取ってこない。突拍子もないことを言うわけでもないし、提案も平凡。ホームランゼロ。真面目だけど周囲からの評価はサイアクです。この人、日本では超有名大学を出た人で、日本では超優秀で通っていたのに、全く違う評価軸の社会にきたら「最低最悪のダメな奴」という烙印を押されてしまうわけです。




個人的に、日本の優秀の基準はだるい。「まずキッチリしていること」が前提となっている。そうじゃなければいくら結果を出しても認めない。

しかも、そのキッチリとしているという基準は、世間体で勝手に決め付けたものだ。本人は努力しているつもりでも、雰囲気などで勝手に蔑まれることもよくある話だ。
変人だけどすごい!として評価されている人もいる。

だけど、そんなに数としては多くないと感じる。
今、原発の鼻血問題で荒れている「美味しんぼ」の主人公、山岡士郎なんか、間違いなく干されるだろう。1巻を読んでみたことがあるが、酒を飲んで会社で寝ころんでいた。
あのシーンには度肝を抜かれたが、自分にしかない長所を活かせば組織にいられるということを実感させられた。
ちなみに、あの原発鼻血は正直、どうでもいい。