はやてとゆうこ 11話
ゆうこの母、みゆきはしおりと一緒に料理を作りながら話をしている。
どうやら、たかひさについてのことらしい。
みゆき「しおりちゃん、たかちゃんは嫌いな食べものあったりする?」
しおり「たか君は割と好き嫌い、多いんですよねぇ・・・。」
みゆき「脂っこいものとかあげまくって甘やかしたら駄目だぞ?体壊すからね。」
しおり「うーん・・甘やかしてはいませんよ?むしろ、男性の好きそうな味の濃いものや、油っぽいものはだいたい駄目ですね。」
みゆき「珍しいよね、それ。とすると、だいたい野菜は生で食べちゃう?」
しおり「そうですね。そもそもお肉は食べると、もたれて胃が痛くなるみたいなので、食べたくないみたいですよ。そういえば、甘いお菓子もそんなに食べない・・・」
みゆき「だからあんなにガリガリなのか・・・。しかし、それもつらいねえ」
しおり「居酒屋へたか君を連れて行ったらサラダのオンパレードになるかもです♪」
みゆき「もはや、それは意図しないベジタリアンね。ただ、食べるものにこだわりはそんなになさそうだけどね。」
しおり「多分、けいじ君とたか君を足して2で割れば、平均的に食べる人が出来上がりますね♪」
ピンポーンと音が鳴ると、しのぶが遊びに来た。どうやら。ゆうこに用があるようだ。
しのぶ「こんにちわー。おーい、ゆうこー!いるのかー?」
しおり「あらあら、しのぶちゃんじゃないですか。残念ですが、今ちょっとだけ出かけていますよ?すぐ戻るでしょう。」
しのぶ「なんだよ・・・あいつ・・まぁいいや。」
みゆきが言うとおり、ゆうこははやてと一緒に現れた。
しのぶ「やっときたか。ついでになんかひっついてきたみたいだけど・・・」
ゆうこ「あんたもなかなかひどいこと言うね、しのぶ。それはともかく、これありがとう。」
しのぶ「おう。」
はやて「ゆうが返したのって何だ?」
ゆうこ「音楽のCD。」
はやて「なるほど、鳥避けにでも使うか。」
しのぶ「ほう。私の好きな歌手を外にさらそうとする勇気にパンチ!」
はやて「ぐえっ・・・」
ゆうこ「ちょっと、何するの!?しのぶ!」
しのぶ「案ずるな、みぞおちだ。」
はやて「みね打ちですよ・・・。殺す気かよ!割といてえんだけど・・・」
しのぶ「正直、そこまで綺麗に食い込むとは想定していなかった。悪かったな。」
ゆうこ「はやてちゃん、大丈夫?」ナデナデ
はやて「頭の中以外は大丈夫。」
ゆうこ「それなら大丈夫ね♪」
みゆき「いや、ゆうちゃん。それはないわ・・・」
はやて「うん、湯豆腐うまい。」モグモグ
みゆき「コラ!つまみ食いすんな!!」
しおり「いけません!!はやて君!!作っている途中の物を食べるとは何事ですか!」
ゆうこ「注意しようと思ったら、先に怒られちゃってるよ・・・」
はやて「料理中のしおりさんは割と厳しいなぁ。」
ゆうこ「しぃちゃんの料理教室は上達するけど、厳しすぎて大体の人が泣く・・・」
しおり「ゆうこちゃん、もっと精進しますか?」ニコニコ
ゆうこ「嫌よ。あんたのは指導という名の半分ストレス発散じゃない。」
みゆき「しおりちゃん、料理の教え方はもうちょっと優しくね?」
ゆうこ「たかひさ君は唯一の例外ね。いつもあれくらいならいいのに。」
しおり「たか君は、あんまり厳しくすると指示が頭に入らなくなっちゃうんですよ・・」
みゆき「へっ。どうなんだか。」
はやて「みゆきさんが妙に挑発的だなぁ。旦那を甘やかす人が言ってるのはなぁ・・・」
みゆき「ほう。ゆうちゃんがいなくなったら、はやてっちはどうする気だい?ふぬけ亭主め。」
ゆうこ「あ!一瞬だけはやてちゃんが助けを私に求めようとしたけど避けたね。まぁ、はやてちゃんが言える立場じゃないよね。」
はやて「外野が厳しくて泣きそう」
しのぶ「悪かったな、はやて。さて、CDも返してもらったことだし帰る。」
ゆうこ「じゃあねー」
はやて「ところで、たかひさが料理できるイメージがないのだが。」
ゆうこ「兄弟なのに、知らないの?」
はやて「だって、あいつ引きこもり状態だから、しおりさんのほうが知っているんじゃ・・・」
しおり「一品ものなら、私より凝るのでとてもおいしいですよ。ただし、全体を考えるとバランスがめちゃくちゃなので、食卓に出すには向かないですね・・・」
はやて「あいつらしいな。俺も女子力を鍛えるか。」
ゆうこ「鍛えるな!それはどっちかというとしのぶが言うべき台詞じゃないかしら?」
みゆき「こらこら。あんたが女子力鍛えてどうすんの。マスコットとかを見てかわいい~☆とか連発し出したらもう末期よ。」
しおり「年甲斐もなくこんなことを言い出すお母さんのほうが若干末期では・・?」
みゆき「しおりちゃんはやさしい雰囲気してるくせにきついわねぇ。気分を若くしたいの、私は。」
はやて(いや、今のあれはなぁ・・・もこさんなら、もうちょっと暴言がきついはず)
ゆうこ「はやてちゃん、あんまりろくでもないこと考えてると怒られるよ?」
みゆき「言いたいことは分かるけど、若干イラつく。」
はやて「さて、俺は帰るかな。」
そのあと、しおりはたかひさを呼び、はやてを抜いた4人で湯豆腐を食べた。