社会の厳しさに酔う日本人へ
4月1日から新入社員を迎える人が多いと思うが、受け入れる側の人たちに対して、どうしても思うことがあるのでその話について。
まぁ、雑貨店ではよくやるタイプのお話です。
ほとんど注目はされなかったが、秀逸なツイートがあったので引用させてもらった。
日本の企業が募集する仕事に応募したんだけど、雰囲気が超ビジネスっぽくて苦手だった。この、キビキビしなきゃいけないみたいな雰囲気は一体なんなんだろう?キビキビしてるふりしないと、仕事してても怒られる雰囲気。場の雰囲気を読んでそこに合わせないといけないような感じ。きもかった。
— Linda Bjalla (@lindabjalla) December 3, 2013
こちらのLinda Bjallaさんは英文の説明を読む限り、ストックホルムに住んでいる日本人のようだ。
どういう経緯でスウェーデンに行ったのかは分からないが、日本人が日本の企業に応募したときに感じたのだから見直す価値があるんじゃないだろうかと思った。
こういうことを誰も言及しないというのであれば、自分が言おう。
ほかの国の人が日本の働き方が変だということを結構言っていることは多い。その意見の中にLindaさんのツイートと似たような考えを持っている方は外国の方だけでなく、日本人の中にも結構いるんじゃないかと思うんですよ。
厄介なのがこの「ビジネスっぽい」ということ。
具体的にどういうことかというと、日本の仕事のやり方というのが実際にビジネスとして中身が効率的に成り立っているかどうかを重要視していないこと。
長時間労働を推奨するような「ビジネスをやっている中で大変な俺カッコいい!」みたいな部分を意図せずに作る。必要もないピリピリ感に酔っているやつがいるんだよ。
仕事を真剣にやった結果、ボロボロになるのはあると思う。
こんな職場が嫌で中身を変えようとする人は「こんな無茶なことを後輩にやるのは止めよう」と思う人が結構多かったりする。
仕事を達成するうえで、「社会は厳しい!」ということを言いたいがために過剰適応しちゃう層とは分ける必要がある。
厄介なのは、子供とか学生ならある程度説得(洗脳?)できるだけの能力ベースができている。DV夫と心理が似てくるのだ。
最初は嫌なんだろうけど、だんだん慣れていくうちにあのボロボロになっている感覚が好きになるんだろうなって思っちゃう。
「ゴールドマンサックスみたいな結果重視の厳しさ」と「日本社会の結果+処世術みたいな厳しさ」というのは本質が違うよということ。
要するに、仕事が忙しすぎてパワハラとかやってる場合じゃない環境だ。
そんなことやっていたら干されるし、第一自分自身が目標を達成できない場合だってあるだろうに。
サイバーエージェントの藤田晋社長の本の言葉で言えば「憂鬱じゃなければ仕事じゃない」みたいなことになるだろうか。
憂鬱だからこそ、できるだけ楽しくとかやりやすく考えるべきなのに「憂鬱じゃないといけない」なんてそんな馬鹿な話があるかよ!
脱社畜ブログの日野瑛太郎さんがよく言っていることで言い換えればこんな感じになる。
「日本は長時間労働だ。その原因は付き合い残業や同調圧力のせいだ。いくら仕事ができても定時で帰るような社員は協調性のなくやる気のないやつとみなされる風潮が日本の職場にはある。」
「日本の仕事はまるで修行だ。上司のパワハラにグッと耐えている姿なんてまさに修行のようではないか。彼らはあの苦行の中から何を見出すのだろう。」
引用ではないので、言っていることは大雑把です。
仕事においてキビキビすることは大事な要素かもしれない。
ただ、日本人が要求する「キビキビ感」というのは怒号や暴力、怒鳴らないけど無神経な指導が飛び交う職場というようなイメージでなくてはいけないというような脅迫感を持っている。
指導は厳しくなくてはいけない。とか、形だけの無意味な厳しさ(無意味ならまだしも、指導における効率がダウンしているのが現実)を無駄に崇拝している背景はないだろうか。
タイプが違う人なら、ネチネチした言い方に耐えなければ「社会人じゃない」みたいな考えを持っている人もいるんじゃないだろうか。
仕事の質の真剣さと実は関係ないところで、変ないちゃもんをつける人たちが多い。
会社に入ったばかりの新人はどうしてもほかの社員に比べ、知識や経験などが劣ってしまう。
本来、負けている部分は業務の部分だけなのだが、新人に対するマウンティングをするために会社に適応した自分ルールを「お前は人格が糞」みたいに植えつけてくる層がいる。あれで変な勘違いされられる新人が出てくる。
もっとまずいのはマウンティング野郎が連鎖することにつきる。最終形態は風通しの悪い会社になって日系パワハラさんのような状態になるのがオチだ。
経験は積みまくっているから仕事は並以上にできるのかもしれないけど、仕事以外の人格として考えればこういうやつになっちゃだめだって反面教師にするくらいでいい。
もっとひどいのが「社会人は休む暇はないよ!有給とるやつは死ね」みたいなところ。
あれで疲弊して労働効率が落ちたり、仕事中に倒れたりする人たちがいっぱいいるわけ。最悪、精神を病んで働けなくなったりする。中にはうちの友人のようにそういう環境でも頑丈に生き残るやつがいる。
下手にピンピン生き残る層がいるから、「こいつを見習え」みたいなことを基準にしたがる。
これが日本全体で1年に1ケタのペースなら「まぁ、どうしても会社員向きじゃない人にはありうる範囲かな?」とかって思える。
だけど、今の日本はどう考えてもそう思えないだけの証拠がある。
「無茶苦茶な仕事のせいで働けなくなった」とかっていうブログがどれだけあるか数えてみてくださいよ。
しかも、今はバブルと違い無茶な労働時間だけで儲かる楽な時代じゃない。あれをまだ信仰する気か!現状に合わない価値観だけが続いているんですよ。
だから、先輩社員や上司が暴言的な感じで無駄に威張ってきたら心の中で「あ、こいつは人格的に尊敬すべきじゃないな・・・」くらいのスタンスでいいといいと思います。
自分まで腐った組織に染まる必要はないということを新入社員の皆さんには言っておきたいなと思います。ろくでもない話だけど、今回はそれくらいで。