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自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

入らないと分からないブラックの本質

就職活動をしていると、その視点って案外抜けているんですよ。

特に、新卒だと「企業研究が大事だ!会社のこと、仕事のことをよく知って自分がどんな人材になりたいかが内定への近道だ!」みたいなことを言われる。

こんな感じでメッセージを叩き込まれるのだが、はて、企業研究を頑張ろうと意気込んだところでよく分からない。それは当たり前の話だよね。あくまで就活で分かることっていうのが、HPの中身+企業説明会における働く場所をチラッと見た程度にとどまるのがオチだろう。情報がまったくないことよりは確実にましだが、これらの情報で「働くことの本質」が分かると思ったら大間違いだ。

ましてや、面接ではこの本質でない情報からすべてを悟り、ご立派な志望動機と受け答えをこなす必要がある。これは無理なので、なんとかして働く本質を見つけるには実際の仕事をするしかない。幸運なことに、選択肢はある。

在学中の就活において、実際に働くという点ではインターンシップという選択肢は実際の仕事を体験するという上では最善なのではないかと思う。

ただ、あくまでインターンシップの時点では「人間関係」を作るという点までいくにはやや難しい側面があると思う。学生が研修に来ているということにより、いつもより事業所内部の様子が猫をかぶっている可能性があるからだ。もし、いつもパワハラなどを行っていたとしても必死にわからないように隠そうとするのは当たり前だ。

 

そして、本当の意味で仕事を知るのが4月1日以降。真っ黒い側面も、いいところも含めて分かるのは内部の人間として組織にもぐりこめたときだ。日本はこの潜り込むまでのコストが異常に高い。そして、転職という別の会社に潜り込む方法は、ご立派な経歴を引っさげなければいけない。ブラックで早期退職したなんていう話があれば、面接官は潜り込むコストをジンバブエ状態でインフレさせる。だから新卒の就活に重みがありすぎて、困ってしまう層が出てくるのだ。

つなぎのバイトですら、入るまで分からないというブラックな要素に見舞われる。生活するために仕事を探しているのに、仕事のせいで生活できない体になってしまう事だってあるのだ。また、長年同じ会社で勤めているとそれ以外の組織を知らないためほかのブラック組織のレベルなんていうのを知らない人たちは割といる。

個人的に思うことなのだが、これらの人たちにとって「つらすぎて辞める」ということがあまりにも感覚がなくて現実離れしているんじゃないかっていう気がする。いろいろ話を聞いていると精神を削られるレベルの暴言なのか、仕事で指導するために必要な叱責を混ぜているんじゃないか?と思うときがある。

だから退職理由を聞いたとしても「なんだ、君が我慢できなかっただけじゃないか」と一緒くたにする。

転職経験があっても、もともとの労働環境が非人道的でなく、純粋にキャリアアップのために転職した人もある意味同様かもしれない。

これは違う立場同士、なかなか理解しあえない問題なのだ。会社の仕事内容だけではなく、部署や上司、給料などに恵まれてきた人にはあまりに現実味がないからだ。

うまく環境に入れなかった人を自己責任と揶揄するんじゃなくて、もっとしっかり話し合って自分たちはぜんぜん環境が違うんだ・・・ってことをお互いに把握しなくちゃいけないんですよ。だけど、そういう建設的な話をしている人たちを見たことはない・・・残念だ。