マイノリティ雑貨店

社会に関すること、自動車、発達障害などを扱うブログです。社会ブログなのか、車ブログなのかよく分からなくなってきました。

AGSやシングルクラッチAMTは日本では売れない

回の話で言及するセミオートマは、アルトターボRSやエブリイに使われるAGSやフィアット500のデュアロジックのような割と安価に作れるシングルクラッチの形式のものについてです。アルファロメオセレスピードMR-SのシーケンシャルMTもそれに相当します。

ベンツのBクラスの7速DCT、ランエボⅩのSST、現行GT-R搭載のDCTのような高価な仕組みでできているセミオートマの話ではありません。注意。

要するに庶民レベルで買える車種の中にあるセミオートマでは、日本人の運転感覚に合うものがないということだ。

日本人の運転感覚とセミオートマについてうまく語ってくれた記事がある。

読みやすくするため、この記事向けに色と文字の太さだけを若干編集します。

alto-turbo-rs-review.seesaa.net

先日、妻と新型アルトターボRSの試乗に行ってきました。
新型アルトターボRSに装備されているAGSは、クラッチのない2ペダルとは言えオートマの感覚で運転してはダメですね。

アチェンジをクルマ側に任せる"Dモード(ドライブモード)"で
運転すると、オートマ車のようにアクセルを踏みっぱなしでも
走行する事は可能です。

しかし、アクセルを踏みっぱなしで変速すると
変速したときのショックが大きいです。
頭が揺れるくらいの衝撃がきます・・・。

また、なぜかはわかりませんが、
"キュッ キュッ・・・"とどこからか異音がします・・・。

オートマ限定の免許を持っている妻が新型アルトターボRSを
試乗したのですが、アクセルをベタ踏みの状態でした。

なので、ギクシャク感もあり、また変速時の衝撃も大きく
最初はバタバタの状態でした・・・。
まぁ、それでもAGSなので普通に走行はするのですが・・・


新型アルトターボRSの試乗に同乗した営業マンにも運転する前に
教えてもらったのですが、変速するタイミングでアクセルを一度離して
抜いた方が変速時のショックも少ないようです。

しかし、妻はマニュアル車を運転した事がないので、
変速時にアクセルを抜くという感覚がわからなかったみたいです。

妻はも「アクセルを離すタイミングがわからない!」って感じで、
軽く逆切れ状態・・・。

なので、アクセルを離すタイミングを運転中の
妻に教える感じに・・・。

"Dモード(ドライブモード)"の場合、クルマの変速のタイミングに
自分からある程度合わせないといけないので、慣れるまで
ちょっと大変そうでした。

特に新型アルトターボRSの場合、1速から2速にかけて
変速ショックが大きいので、最初ちょっと妻も苦労していました。

ただ、何となく20分程度運転したら、
何となくアクセルを抜くタイミングにも慣れてきたようです。


助手席に乗っていても、試乗した頃に比べて
だいぶ変速ショックも少なくなってきてました。
妻は試乗終了後、
「疲れた。もう新型アルトターボRSは運転したくない、」
と、いってましたが・・・。
マニュアル車を運転した事のない人の方が
AGSを操作するのは、難しいのかなと思いました。。。

マニュアル経験者も未経験者も
新型アルトターボRSのAGSで快適に運転するには、
慣れが必要という事ですね。

最新のデータによると、日本で流通しているAT車の流通率は98.5%と異常なレベルだ。

営業車やトラックなどを含めた比率も考えると、日本がどれだけAT大国なのかということが分かるのではないか。しかも、最近のAT車のラインナップを見ると丈夫さを優先する商用車か、トルクの大きい大排気量セダン以外はだいたいCVT車で埋め尽くされている。

アメリカがAT大国なイメージがあるが、実は日本車のアメリカ仕様のやつは何気にMT設定があったりする。

スズキのキザシは6MTがあるし、トヨタのFJクルーザーは6MTがある。

サイオンの2代目xB(日本のカローラルミオンの米国版)には何気に5MT設定がある。余談ですが、アメリカ版のエンジンは2.4Lなんですよ。

初代xB(日本の初代bBに相当する)にも5MTと4ATの設定がそれぞれある。

トヨタのHPを見てもらえればわかるが、日本では初代bB、現行カローラルミオンのどっちにもMTは設定されていない。

どれだけ、日本でMTが排除されてきたのが分かるのではないか。選びたくてもMTを選ぶ余地がない。そして、昔から日本人はAT車が好きだった。

そして、同調圧力の強い日本ではATが主流になるとみんなATを乗るようになるのでMTの需要が減る。AT免許制度は1990年、だいたい25年くらい前からの話だ。

その当時は現在の40才くらいの人が免許を取り始めた頃だが、当時の風潮はまだオートマ限定の免許を取っている人は今ほどいなかった。

1985年ではAT率が48.8%、AT免許ができた1990年には72.5%。

「ここまでATが増えたのはAT限定の免許のせいじゃないか!」といいたい方もいるだろうが、たった5年でここまでAT限定の人がそこまで増えているとは思えないし、自分が免許を取った頃は「男はMT免許だろ」という風潮もまだあった。(地方なので余計そんな感じ)

だからAT限定の影響はそんなに大きくないと思う。どっちかというと日本人がもともとAT車が好きだったのではないかということ。渋滞と信号の多さもその風潮を加速していったのではないかと思う。

 

では、なんで安価に作れるセミATが日本人には売れないのか?という話に戻ろう。

日本人にとって運転感覚のベストはなんだろうか。ラインナップが多く価格的にも手が出せるCVT・4AT・5ATあたりの設定だ。これらに共通することは何だろうか。

この3つの変速機にはどれもトルクコンバーターが噛んでいる。

(初代フィットのCVTは電磁クラッチというクリープなしの代物だったが、すぐにクレームが出てトルコンが搭載された。)

AT免許が増えてきた頃のオートマはCVTがなく、だいたい3ATか4ATだ。

2000年以前くらいの古い軽は5速MTもあるが、オートマに関しては当時は最高グレードでも3ATしかなかった。5MTを選ぶ人もいないわけではないが中古車市場を見ると軽トラ・軽バン以外はだいたいの確率で3ATが売られていることが多い。

実際、走らせるとあんなにだるいものがポコポコ売りに出ているということは実燃費とかダイレクトな加速以上に「トルコンで楽チン」なことを選んできたということになるんですよ。

彼らにとっての楽チンというのはどういうことになるのかを考えていこう。

発進はクリープ現象をフル活用して坂道では気を使いたくない。アクセルを開けたらDレンジのまま走り、ブレーキだけで減速・停止。個人差によってアクセルやブレーキの雑・丁寧の違いはあるものの、日本人の運転する感覚としてはこれでよいのではないかと思う。

ATに乗っている50代以上の人はMT車に乗っていた影響から、下り坂でエンジンブレーキを活用する可能性が高いということくらいだ。

ただ、AT乗りを見ていると山道でDより下のギアを使っている人はほとんどいないイメージのほうが個人的には強い。クネクネした山道をDで走っている人はスピード調整のためにブレーキふみまくっているのでだいたい分かる。

 

先ほどの引用からも分かるように、AGSとかシングルクラッチのAMTを乗るためにはある程度MTの感覚を理解していないといけないのだが、例え分かっていてもそんな気を使いたくない人たちが多いのですよ。

MT車としての直結な特性は彼らにとっては「アクセルに気を使うから面倒」の一言で切り捨てられてしまう。

いくら変速機構の伝達効率がよかろうと、画期的な技術であろうとも「適当な運転でもそれを車のほうがある程度カバーしちゃう」という特性がない限り彼らは乗りたいと思わないのですよ。

DCTでもオートモードならもう完全にCVT車の感覚で乗っちゃう。クラッチがあるとかないの問題ではなく、ゆったり運転したいのだと思う。

同級生のベンツBクラスの7速DCTに乗せてもらうことがあるが、後ろの席からでも変速の継ぎ目がほとんど分からないレベルだ。DCTは構造として擬似クリープがあるが、CVTの弱いクリープと感覚は一緒だ。

あれなら乗る人もいるだろうけど、ホイホイと簡単に手が出るような代物ではない。友人は仕事上MTも乗れるが、Dレンジでしか使わない。MTモードを使ったことはあるけど「面倒くさいからDのほうがいいわ」とのことだった。

 

ほしい車にラインナップがないというよりは、あってもATの方ばかりを選んでしまうということがかなり大きいような気がする。あと、MT乗りは変人みたいな空気もあり、それに耐えられない人もいたりするのではないか。あとは家族持ちだと奥さんがうるさいってパターンもあるけど、結婚率が低くなっている現実を考えるとやはり1人世帯でもATが好まれているということになる。

スズキはなかなか面白いこと考えたとは思う。だけど、日本人向きじゃないから売れるかどうかで考えると微妙なところよねというのは個人的な感想だ。