ハロー効果について少しだけ考えてみた
まず、最初にハロー効果についての説明を引用しよう。自分でもあまり分かっていないことがあるので、参考にしたい。
働き盛りのメンタルヘルス vol.19
人の評価に関しては、「ハロー効果」(halo effect)という理論があります。ハロー効果は、人が他者を評価する時に、わかりやすい特徴を過大評価しすぎてしまい、他の特徴の評価が過小評価されるというものです。たとえば、有名企業に勤めている人や有名大学を卒業した人は、そうでない人よりもあらゆる面で優れていると考えてしまうような例を指します。有名企業に勤務していることや有名大学を卒業した事実と、たとえば、性格の良し悪しとは無関係であるにもかかわらず、対象者を好意的に評価してしまう経験がある方は多いと思います。そして、このハロー効果は人の失敗についても同様に見出されるのです。
たとえば、奥様の会話でよく話題に上がるのは、「夫や子供の職業・年収・勤め先の名前」などではないだろうか。特に、勤め先の企業の名前に関しては結構興味が強い方が多いはず。
中根千枝さん著の「タテ社会の人間関係」にも次のようなことが書いてある。
日本人が外に向かって(他人に対して)自分を社会的に位置づける場合、好んでするのは資格よりも場を優先することである。記者であるとか、エンジニアであるということよりも、まず、A社、S社の者ということがまず第一であり、それから記者であるか、印刷工であるか、またエンジニアであるか、事務員であるか、ということである。 (関係ないことなので中略) ここで、はっきりいえることは、場、すなわち会社とか大学とかいう枠が社会的に集団構成、集団認識に大きな役割をもっているということであって、個人のもつ資格自体は第二の問題となってくるということである。
場というのは「どこに所属しているか」ということだ。資格というのは「その人が本当の意味でどんな性格なのか、能力があるのか」ということだ。厄介なことに日本では「場」を重視しているため、その人がいい組織にいれば勝手にいい人だと認識されてしまう。
要するに、日本というのはハロー効果に影響されやすいタイプの人が多い国なのだ。
逆に言えば能力はあるけど、本人は熾烈な競争を避けたいから「大きな組織や偏差値のよい大学/学部に行かず、小さくてもよい組織を探す」というひとは残念な人ということにされるのだ。
「ナリワイをつくる」の伊藤さんの言葉で言うなら、バトルタイプ/非バトルタイプだ。
本当は内情がブラックなところで消耗したとしても、そんなことに誰も気を止めず「脱落したのかあいつ・・」くらいにしか思わないのかもしれない。エリートだから競争するのは当たり前なのだろう。
まぁ、そこらへんのところは今回、考えないことにしよう。話がややこしい。
少し前に「ネット漫画紹介「オレにあやまれ!!」」という記事を書いた。
考えて思ったのは、ハロー効果の悪い点はDVで存分に発揮されてしまうということだ。
作者である杉野BEATさんはネット漫画の中で「今の夫はカタい仕事のサラリーマン」ということを述べていた。当然、先ほどの法則からいけば堅い職業の人のバイアスが周囲にかかってくる。ということは、杉野さんの夫は「DVなんかする人じゃないわ!!」と頑なに思われているということなのだ。
そうすると、暴力や暴言、モラハラを実際に受けている状態を訴えても信じてもらえないし、むしろ相談した奥さんのほうが一方的に責められる確率が高くなる。
社会のセーフティネットの問題があるので、単純には語ることはできないのだがDV夫に悩む妻の中にはハロー効果の副作用で苦しんでいる人が多いんじゃないかと思ったのだ。
ハロー効果はシンプルに言えば所属している組織などから想像できる第一印象のことだ。そこから情報を取るのは人間の特性として当たり前だし、別に使うなということを言うつもりもない。
不良っぽいかもしれないし、キチンとしているかもしれない。ただ、それで本質が分かっている気になってはいけないのだ。
大きい組織にいるからといって完全無欠な人間だと断定することだけはいけないし、小さな組織、または組織を持たない人に対して罵詈雑言や偏見を持っては駄目だということを自分は言いたい。