マイノリティ雑貨店

自動車、発達障害などを扱うブログです。最近はQMAにはまっています。

書評「サイエンス大図鑑」

書籍紹介

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

サイエンス大図鑑コンパクト版 [ アダム・ハート・デーヴィス ]
価格:4104円(税込、送料無料) (2018/7/16時点)


 

この本は見ての通り、「科学図鑑」である。

物事の原理、今生活の中にある製品がどのような原理で動いているのかを

フルカラーの図で分かりやすく、そして専門的に解説する本。

 

購入したきっかけ 

科学系の本は持っているけど、それを集約した大きな図鑑を持っておらず欲しかったというのが一番の理由。

専門書はあるけど、実際読んでみるとかなり細かいし直感的に理解できるか?というと全然できていないなと思ったこともあった。

読んでみると、 身近なものの歴史が分かるのが面白い!

 

フルカラーの図は楽しい

文章ばかりの本って、やはり読みにくいんですよ。図だけだと説明ができない。

説明が丁寧になされている専門性の高い本を探すと、絶対に図鑑に収束するんですよ。

普通の専門書って、制約上あまりフルカラーの図とかを入れられないのでビジュアル的な面で習得がしやすいというのは大きいよなということを感じました。

 

 

中身を少しだけ紹介するよ!

では、今回は「車輪、回転輪」の歴史についてお話をしましょう。

電気自動車がこれから使われていく時代、車輪というのは切っても切り離せない関係なんです。

もっというと、空を飛ぶための飛行機が着陸するのにも使うような高度な技術。

「ただの転がるワッカじゃん!」ということに対してを歴史と技術の進歩のあゆみを突き詰めていくとこれがなかなか面白いなということが分かったので紹介していきたいと思う。

車輪のあゆみ

一番初めの車輪は古代メソポタミア、紀元前3500年に考案されたようだ。

いまから5500年くらい前ですね。その時の車輪というのは今みたいにタイヤとホイールなんかあるようなものではなくて、陶器を作るろくろを縦向きにして使うことを考え付いた粗末なものだった。

ろくろを2枚、軸に通せば原理上転がるのでそれを移送手段として使っていた。

ちなみに、車輪にスポークをつけるという発想は紀元前1600年までなかった。

f:id:zakka10wasabi:20180729224711j:plain

図を見ながら楽しく学ぼう

「なんで、車のタイヤにはホイールがついているの?タイヤだけじゃだめなの?」という疑問はこの写真で説明できるんですよ。

ホイールはリム(外側の本体)とスポーク(棒みたいな部分)で構成されている。

動力軸が直にタイヤのゴムについていると細い軸から大きな力がかかる。

細いということは面積当たりのパワーが大きくなりタイヤのゴムにものすごく負担もかかるし、かかる力に打ち負けて滑ったりする。

そこで、ホイールのリムで面積を大きくする。その分散され力をリムに伝えるためにスポークで伝える。この原理があって始めて車輪がまともに機能するのだ。

転がるという1つの原理から車輪というものを開発するというのは難しいということがなんとなくイメージできたのではないだろうか。

その証拠に、スポークのある車輪が作られるまで1500年近くも掛かっている。

スポークができてから、今のタイヤの原型ができるまでには西暦1400年くらいまで待つ必要がある。そこから改良されていくのにまた1000年ちょっとかかっているわけです。

車輪の技術は、タイヤだけでなく発電機などのタービンにも応用されている。

余談ですが、IT業界では「車輪の再発明(再開発)」という言葉がありますね。

この言葉を作った人は歴史を良く学んでいるんだなということを感じますね。

参考までに→車輪の再発明 - Wikipedia

 

あとがき

人間が作ったものの道理を学ぶというのは歴史を同時に学ぶことなんだなということを感じた。そういったストーリー・原理・これからの展開への動きを4000円くらいで図解してくれるというのはすごく安いのではないだろうか。

それも、寝っ転がりながら読んでも直感的に頭の中に流し込めるフルカラーの図というのはなかなか強い。

理系だけでなく、文系の方にもストーリーを楽しむという目的で寝っ転がりながら読んでもらえば十分楽しめると思います。